その7~食生活の2|ダイエット物語・半年で減量した男

パン

「一体、これまでどのくらいのカロリーを摂っていたのだろう?」男は考えた。

朝はコンビニでパンと缶コーヒー。

昼は基本的に外食。ファミリーレストランや定食屋、ラーメン屋と様々。

夜は自宅でと外食が半分ずつ。それに今はなるべく控えるようにしているが酒とつまみ。間食は基本的にしない。

サラリーマンとしてはごく普通の食生活だろうと男は思った。

調べると、インターネットには基本的な料理のカロリーが載っているサイトが数多くあった。

ファミリーレストランのメニュー表にはカロリーが載っており、そのWEBサイトには栄養素を含めた更に詳しい説明があった。

よく見ると、コンビニやスーパーで買う食品にもカロリーが明記されているものが多かった。

これまで無頓着だったカロリーだが、巷には情報が溢れていることに男は気づかされた。

日頃の食事から摂取したカロリーを計算することは非常に重要です。この意味で、食べたものを全部記録しておく「レコーディングダイエット」は有効ですね。

どれと男は計算を始めた。

朝の缶コーヒーはブラックなのでほぼノンカロリー。パンは種類によるが300~500kcal。

昼によく使うファミリーレストランは、ランチのライス込みで一人前1000~1500kcal。

夜に牛丼を食べたとすると700kcal、これに卵やら味噌汁が付く。

酒とツマミは千差万別。

ざっくりとだが、今の摂取カロリーは先の「生活代謝量≒2600kcal」とイコールくらいの気がする。

だとすれば体重がさほど減らなかったのも無理はない。
これから意識して摂取カロリーを減らせば、運動の効果もより大きく現れるのではないだろうか。

本来は「摂取した総カロリー」から「運動によって消費したカロリー」を減算すべきなのですが、正直普通の運動ではさほどのカロリーは消費できません。カロリー計算は食事分のみで行い、運動分はボーナスだと考えましょう。

食生活の改善には、カロリー量だけではなく栄養素の問題もあるらしかった。

3大栄養素と呼ばれる炭水化物(糖分)、脂質、タンパク質、それに加えてビタミン類の関連だ。

男にも、太る=糖分(炭水化物)というくらいの知識はあった。

だが、それ以外は皆目判らない。
「3食きちんとバランスよく食べる」というのはよく聞くが、具体的にどうすれば良いのだろう?

心配することはなかった。カロリー計算同様、ネットには情報が溢れていたのだ。

パンやご飯は炭水化物。
「太る要因」と言われる事が多いが重要な栄養素、そして脳を活性化させるのに必要だ。

パンに付けるバターやサラダのドレッシングはもちろん脂質。
脂質も炭水化物同様ダイエットでは毛嫌いされているが、摂らなくて良いわけではない。必要な量を摂らないと体にいろいろ弊害が出る。

但し、どちらも必要ではあるが食べすぎ厳禁。現代の食生活では摂りすぎになりやすいのだ。

肉は基本的にタンパク質。
これはダイエット的にも多く摂ることが推奨されている。だが脂質と一緒になっている場合(素材)が多いので、これまた食べすぎは要注意。

反面、不足になりやすいのは野菜やビタミン。こちらは積極的に摂る必要がありそうだ。

食事・食品に3大栄養素がどれくらい含まれているのかを判断するのは非常に難しいのですが、これまたファミレス・コンビニ食品だときちんと記載されています。それらを確認する癖をつけておくと、それ以外の食事でもなんとなく見当が付くようになるんですよね。

トータルカロリーや栄養素以外に問題になるのは、朝昼晩3食のバランスだった。

朝や昼は多少多めでもあまり問題は無い。日中の生活で体や頭を動かすためにエネルギーが必要だからだ。
摂りすぎ注意の炭水化物もエネルギーとして使われやすい。

問題はやはり夕食だ。

朝や昼と異なり、あとは寝るだけの夕食。
ここでカロリーを摂りすぎると体脂肪が増えやすい。それに「体は寝ている間に作られる」とのこと。特に遅い時間であるほど拙いらしい。

今の生活の主体である「深夜にたっぷりと食事、すぐ就寝」は、ダイエット的には最もいけないことらしかった。

とはいえ、会社勤めだと早めの夕食というのはなかなかに難しいもの。であれば「夕方に軽く食事、夜にもう一度」と分ける手もあります。もちろん総カロリーの範囲内でですね。

 

そして飲酒。

酒自体のカロリーより、同時に摂るツマミのカロリーが心配だ。これまた控える必要があるだろう。

幸いな事に、もともと男は酒に対する執着がなかった。
酒自体は大好きだし、飲み会で騒ぐのも好きだが、「飲まなければいられない」という事はない。
これまでの晩酌にしても、ストレス発散が主目的みたいなものだ。

「痩せる」という目的と「運動」というストレス発散方法があれば、飲まなくてもさほど辛い事はないに違いない。

男は考えた。

まだまだわからない事は多い。だがすぐにできることもありそうだ。

  • ともかくまず、全体的に食べる量(カロリー)を減らすこと。
    栄養素はよくわからないが、なるべく「バランスよく食べる」こと。
    積極的に野菜を摂ること。
    夜の食べすぎはとにかくまずい。夕食は軽く、かつ早めにすること。
    酒量を減らすこと。

夕食さえ注意すれば、昼のメニューは比較的自由にできそうだった。

仕事があり、また付き合いもある昼食。

「昼飯に節制しなくて済むのはありがたいな」

男はうんと頷いた。

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