その5~身体測定|ダイエット物語・半年で減量した男

検査表

翌々日。

同じようにジムを訪れた男は、スタッフの薦めに従い、身体測定を受けてみることにした。

この「身体測定」というのは、専用の機械で体脂肪や筋肉の量、水分量やバランスを測ることだ。

これらを定期的に測る事で、運動の効果が明確になるらしい。

先に書いた通り、医療用機器の場合比較的正確に測ることができます。また測定はできるだけ同条件で行うことが望ましく、この意味でも「似たような時間に似たような服装で測れる」ジムでの測定はとても有効だと言えるでしょう。

 

機械に男の生年月日(年齢計算用)や身長が打ち込まれる。
言われるままに裸足になり、機械に乗る男。

両手にセンサーを握り、じっと立つこと約1分。
プリンターから音を立てて「測定表」が吐き出されてきた。

そしてそこに書かれた測定結果は、予想されたとおりかなり悲惨なものであった。

健康診断同様、体重は82kg、体脂肪率は28%。

分類で言うとやはり「肥満」である。

測定表には、X軸とY軸がBMIと体脂肪率で表されるグラフがあった。

BMIとは身長と体重から計算される値で「体重/(身長*身長)」で表される。
男の場合でいうと、82/(1.7*1.7)≒28.4だ。

BMIが25以上だと肥満のエリア、しかし男の値は28を軽々とオーバーしている。

上記のとおりBMIは身長と体重のみから計算されます。ですが脂肪より筋肉の方が体積あたりの重量は重く、従って脂肪の少ない筋肉質体型の場合でもBMIの数値は大きくなってしまいます。ダイエットの目安としては重視しない方が良いでしょう。

 

体脂肪率とは言うまでもなく「体重に占める脂肪の割合」

これも男性の場合、20%以上は注意の分類だが、男は28%。

当然だが、男の現在の状態を示す★マークはこのグラフの「肥満」枠の上位にあり「基準から大きく逸脱しています」のキャプションが付いていた。

覚悟していたとはいえ、己の体のあまりの状態にがっくり肩を落とす男であった。

測定表には、上記グラフ以外にも様々なデータが表示されていた。

その値を見ながら測定してくれたスタッフがいろいろと教えてくれる。

  • やはり体重・脂肪が多すぎること。
    だが、筋肉量も相応にあること。
    上半身、下半身共にバランスは取れていること。

また、

  • 体重を落とすには、低負荷での長時間運動(有酸素運動)が有効であること。
    急に痩せようとせず、長い目で考えた方が良い事。

「確かに筋肉量は多いな、このまま脂肪だけ落ちれば最高なんだが」

貰った測定表を眺めながら呟く男。

それがいかに虫の良い話であるか、男は2ヵ月後に思い知る事になる。

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