その6~食生活の1|ダイエット物語・半年で減量した男

体重計

1ヶ月が経過した。

この間、仕事は比較的安定しており、男は週に2、3回ジムへ通い続けることができた。

運動のメニューは初日同様トレーニングマシンがメインだった。

多少は慣れてきたせいか、エアロバイクを30分漕いでも初回のように息があがる事は少なくなっていた。

エアロバイクの他にも、例のベルトの上で走るもの(トレッドミルと言うらしい)も試してみた。
こちらはジョギングだけに足腰への負担が大きく、30分走り続けることはまだできなかった。

足をセットしたペダルが上下するもの(クロストレーナーと言うらしい)も試してみた。
こちらは機械とリズムが合わないと足が外れそうになり、なかなかに難しかった。

ジム入会から丁度1ヶ月目の日、運動の効果をみるべく、男はもう一度測定を頼む事にした。

前回同様の身体測定。
前回同様の結果表出力。

どれどれと測定結果を眺める男、だが……「え!これしか変っていないのか?!」

男は驚いた。

確かに、体重は減少していた。

しかしその量はたったの0.5kgだったのだ。

男は頭を抱えた。0.5kgでは誤差のようなものである。1ヶ月もかけてこれでは苦労した意味がない。

ダイエット初期の体重の増減は人によって大きく異なります。何もしていないのに大きく減る人もいれば逆のパターンもあります。本来は1か月という短期間の増減で一喜一憂してはいけないのですけどね。

 

「何故だ!きちんと運動しているのに!」

思い当たるところが無いわけではなかった。それは食事だった。

男がジムへ来るのは仕事を終えてから。汗をかいた後外へ出ると当然のように深夜である。

それから夕食となると、開いているのはファミリーレストランかラーメン屋、牛丼屋くらいしかない。

運動で腹が減っていることもあり、牛丼屋へ入る事が多かった男。

確かに、深夜に食べる牛丼はダイエットに良いとは思えなかった。

「食事か……」

最初から「ダイエットには運動と食事の両方が必要」と判っていたのに、これまで食べる方には無頓着だった男。

次の課題はこれかと男は考えた。

後述しますが外食が悪いわけではありません。むしろカロリーが明確になる(記載してある)分ダイエット的だと言えるかも。大切なのはとにかく「何をどれくらい食べるか」です。

早速調べてみた。まずは食事の量だ。

男の頭の中にも「カロリー」という言葉くらいはあった。

しかしその認識は、「高カロリー=太る」程度のものだった。

具体的にどのくらいのカロリーを摂ればいいのだろう?どのくらいに抑えれば痩せるのだろう?

ネットを探し、「基礎代謝量」という言葉を見つけることができた。

これは単純に言うと「何もせずじっとしていても消費するカロリー量」
これだけ1日に摂っていれば餓死しない。という量らしく、身長や体重、体脂肪率等から計算できるとのこと。

そういえばこの「基礎代謝量」という文字は、先のジムでの測定結果にも書いてあったはずだ。

貰った測定表を見直すと確かに基礎代謝量があり、男の場合、その数値は1600kcalだった。

「じっとしていても消費するカロリー」が1600kcal
これを0.6~0.7で割ったもの(≒1.5を掛けたもの)が、普通の生活で1日に消費するであろうカロリー、「生活代謝量」となる。

1600/0.6≒2600kcal

つまり男の場合、1日の消費カロリーを2600kcal以下に抑えれば少しずつ痩せるはず、という理屈になるのだった。

0.6~0.7という係数は、いわゆる事務職サラリーマンの場合です。あまり体を動かさない生活の人や、逆に肉体労働などの場合には異なる係数を使います。

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