その11~体重減少、だが|ダイエット物語・半年で減量した男

瓜

フィットネスジムへ入会して2ヶ月が過ぎた。

その月の初め、男はジムで再々度の測定を頼む事にした。

入会当時、1ヶ月目、そして今回の2ヶ月目。

こうして1ヶ月毎に測定していけば、体重や筋肉、脂肪量の変化が良くわかるだろう。
「これから毎月月初に測定するようにしよう」男はそう考えていた。

正式な測定は定期的で良いですが、体重は毎日測るようにしましょう。これがモチベーションの維持にもつながります。自宅だと同条件で測るのはなかなか難しいですが、朝起きてすぐ、風呂上がりに等決めておくと良いでしょう。

実は今回の測定は楽しみだった。

食生活の変更、そしてエアロビクスへの参加。

なんとなくだが、既にその効果が男自身にも感じられていたからだ。

 

高まる期待と共に測定器に乗る男。そしてその結果は……

男の予想通り、体重は大きく減っていた。

その量、マイナス3.5kg。
マイナス0.5kgだった先月の実に7倍の減少量である。

ダイエットでの体重の減少は、最大でも月あたり現体重のマイナス5%までに抑えるのが継続させるコツです。それ以上減らしてしまうと反動が大きく、体調不良やリバウンドに繋がりやすいですから。

 

男は喜んだ。「努力の結果が実った!」そう思った。

しかし、測定表の詳細を見るうち、男の表情は次第に曇っていった。

測定表には体重と共に、現在の脂肪量とそれ以外(除脂肪量)の重量が載っている。
この除脂肪量とは、骨格や筋肉等、体の維持に必要不可欠な部分の事だ。

一般的に「ダイエット」「痩せる」「体重を減らす」というのは「脂肪を減らす」を意味する。

内臓脂肪や皮下脂肪を減らすことでメタボリックシンドロームを防止し、お腹を凹ませ、スリムで健康的な体型になることが目的だからだ。

健康管理的な意味では内臓脂肪を減らすことが重要。そして外見的な意味ではウエストのサイズ減少が大切。
結局のところ最重要ポイントはお腹なんですよね。

今回、男の体重は確かに減った。

しかしその内容は、主として脂肪以外の部分だったのだ。

減った3.5kgのうち脂肪分は1.5kg。残り2.0kgは減らせたくはない筋肉等の減少だったのである。

 

風呂の鏡で、男は改めて己の体をチェックしてみた。

確かに体重が落ちた結果は現れていた。以前より「細い」体になっているのは間違いない。

しかしよく見ると、細くなったのは肝心の腹ではなく、腕や胸のような気がするではないか。

主として上半身の肉が落ち、腹や下半身はさほど変らず。

筋肉が落ちてしまったのが原因か、肉に締まりがなく、なんとなくだらんとしたイメージ。
瓢箪というか瓜というか、もしくは「ラ・フランス」という洋梨に似ているような気がしないでもない。

 

男は愕然とした。

体重が落ちたのは素直に嬉しい。だが、この体型は受け入れ難い。

体重が少なかろうがなんだろうが、だらしのないひ弱な体はお断りだ。

筋肉ムキムキになるつもりはないが、身長と体重に見合った筋肉が欲しい。

「このままではいかん!」

男は再度、食生活とトレーニング方法を見直す事にしたのだった。

食事の摂取カロリーを抑えた場合、減りやすいのは脂肪ではなく筋肉です。そして筋肉が減ると基礎代謝も減少します。これもリバウンドの原因の一つですね。

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